こんにちは。みのるコーチです。
今回も、ご覧いただき、ありがとうございます。
今回は
損せず得する『プロスペクト理論』
分かりやすく解説
というテーマでお送りします。
この プロスペクト理論
マーケティングやセールスの仕事を
されているかたは
ご存知のかたも多いと思います。
経済活動の中で
消費者は常に合理的に判断して
購買活動をしているかというと
そうとは限りませんね。
そうなんです
心理的な要素が入っているので
合理的な判断が
できないことも多々あります。
今回ご紹介する
はその中でも重要な理論です。
この記事を参考に
何かを買う時、何かを決める時に
ぜひ冷静な判断をして頂きたいと思います。
また、ご自身の商品をお持ちのかたや
会社の商品を売るときには
相手の心理・感情の動きを考えて
この「プロスペクト理論」を活用して
頂けたらと思います。
目次
【この記事を読むと】
✅ プロスペクト理論が解る。
✅ ビジネスで活用して
自身のの成果が上がる。
✅ 冷静な判断ができて
安定の経済活動ができる。
【1】プロスペクト理論とは
① 心理テスト
あなたはクジに当たりました。
A「確実に1000円もらえる」
B「サイコロを振って
奇数が出たら2000円もらえる
偶数が出たら0円」
A・B どちらか選べるとします。
どちらを選びますか?
:
:
:
はい、決めましたか?
では、次の質問です
その時に以下の選択肢が与えられました。
C「確実に1000円失う」
D「サイコロを振って
奇数が出たら失うのは0円(チャラ)
偶数が出たら2000円失う」
の場合では、C・D どちらを選びますか?
はい、決めましたか?
のちほど解説しますね。
どれを選んだか、覚えてくださいね…。
②プロスペクト理論とは
さて、プロスペクト理論について
話していきます。
このプロスペクト理論とは
…という心理状態のことを指します。
この理論は
カーネマンとトヴァスキーの
2人が提唱しました。
2人は「判断と意思決定」に関する
実験的研究と理論的研究を推し進めます。
そして 2002年にはダニエル・カーネマンが
ノーベル経済学賞を受賞しています。
(トヴァスキーは1996年に亡くなっています)
プロスペクト理論を調べると…
意思決定モデルの一つ。
✅選択の結果得られる利益もしくは被る損害
およびそれら確率が既知の状況下において
人がどのような選択をするか記述するモデル
となっています。
一見すると難しいように感じますが
最初に説明した通り…
という心理の事なのです。
プロスペクトは
「予測」と「見方」という意味です。
人間の性質上
利益(自分にプラスになること)は
を優先します。
一方で
損失が明らかに分かっていることは
を優先するのです。
③心理テスト解説
ここで
冒頭の質問の答えを見てみましょう。
あなたはクジに当たりました。
A「確実に1000円もらえる」
B「サイコロを振って
奇数が出たら2000円もらえる
偶数が出たら0円」
A・B どちらか選べるとします。
どちらを選びますか?
これは、プロスペクト理論で考えるて
多くの人はAを選ぶことになります。
「確実に1000円をもらっとこ~」
となるわけです。
一方で、2番目の質問は、どうでしょう…。
その時に以下の選択肢が与えられました。
C「確実に1000円失う」
D「サイコロを振って
奇数が出たら失うのは0円(チャラ)
偶数が出たら2000円失う」
の場合では、C・D どちらを選びますか?
この場合には
Dを選ぶ人が多いものです。
心理としては
と思うのです。
そうなのです。私たちは
「不可避な損失を我慢できない」のです。
選択肢ABの期待値は同じ(+1000円)で
どちらに転んでも利益しかありません。
ですので…
「利益(自分にプラスになること)には
確実に手に入れることを優先します。」
が働いて
確実性の A を選ぶ人が多くなります。
次の質問では
CDの期待値は同じ(-1000円)ですが
「損失が明らかに分かっていることは
『いかにして、それを回避できるか』を優先」
するため、確実に取られるよりも
倍の損をするリスクがあっても
チャラになる可能性のある方を
選ぶ傾向があるのです。
この心理が「プロスペクト理論」です。
そして、プロスペクト理論は別名
「損失回避バイアス」
と呼ばれます。
④ 価値関数
では、なぜこのような心理になるかを
説明しておきますね。
そこには
「価値関数」というものが存在します。
を表現する関数
とっても簡単に言うと
同じ金額でも
損をしたガッカリ感を強く感じる。
というものです。
1,000円得した嬉しさよりも
1,000円損したガッカリ感が
強いということです。
『行動経済学入門』によると…
損失がもたらす影響は
利得のおよそ 2.25倍 だそうです。
という事で
『いかにして、それを回避できるか』
を考えてしまう傾向が
強くなるのですね。
【2】日常での理論の実例
プロスペクト理論は
よくビジネスのシーンで使われています。
今回は、私たちがよく目にする
7つの実例をご紹介します。
① 全額返金キャンペーン
リスクリバーサルといいますが
売り手が買い手のリスクを負っています。
使ってみて「ちょっと違うな」と思えば
「損失を回避」できるという安心感を
ユーザーに与えています。
売り手側からすると
返品のリスクがあるので
一見 メリットがないように感じますが
日本は製品の返品率が低いので
よくこの手法が使われています。
② 競合優位性のアピール
メイクなどのコスメや
電化製品のキャッチフレーズに
「顧客満足度95%」などの言葉を
見たことはありませんか。
これらの言葉は
「損をしたくない」という
顧客心理を働かせることで
購買意欲に訴えかける手法です。
③ ポイントサービスキャンペーン
ポイント制を
導入しているお店などで行う
一定期間はポイント○倍などの
キャンペーン。
今を逃すと「損をする」という
意識を持たせる手法です。
また ポイントには基本的に有効期限を
ついているケースがほとんどです。
こちらは
「ポイントを失効して損をしたくない」
という「損失回避バイアス」を
働かせる狙いがあるのです。
④ 恐怖アピール(フィアアピール)
例えば、資産運用の例です。
「資産運用をすれば資産を
増やすことができる」
など得することを
アピールしていくよりも
「資産運用をしないと老後の資金が
足りなくなる可能性がある」などと
損する可能性をアピールしたほうが
商品によって反応率は高い場合があります。
⑤ 希少性アピール
「限定何個」とか
「期間限定」という手法です。
ネット販売の場合
残り時間のカウントダウンで
視覚的に訴えてくる場合までありますね。
この機会を逃したくないという
「損失回避の心理」が働いて
買ってしまう場合も多いものです。
⑥ 各種優遇制度
「○○円以上購入で送料無料」など
対象を限定した優遇制度・メリットを
宣伝していく手法です。
「もう少しで○○円だから、
ついでになにかもう一品…」という
この「機会を逃したら損」
という心理を誘うことができます。
⑦ キャッチコピーの切り替え
宣伝・広告の
キャッチコピーでの効果です。
ユーザーのメリットになる情報は
「確実に〇〇できる!」と抽象的な
表現が良いとされています。
一方で、ユーザーにとって
デメリットになる情報は
「〇〇%の割合で××してしまう」
強調するほうが具体的な印象になって
これを避けるには、この商品が必要だ
と誘導することができるものなのです。
このように、同じ商品でも
キャッチコピーの切り替えによって
印象を大きく変えることができるのです。
冷静な判断 and 理論の活用
② 競合優位性のアピール
③ ポイントサービスキャンペーン
④ 恐怖アピール(フィアアピール)
⑤ 希少性アピール
⑥ 各種優遇制度
⑦ キャッチコピーの切り替え
以上が 私たちがよく目にする
プロスペクト理論です。
行動経済学や行動心理学に
分類されるので
ビジネスシーンで活用が
多くありますね。
売る側としては
良いものを相手に
届ける手法として活用したいですね。
そして 買う時の判断としては
これらの事を知っているだけで
「おっ、プロスペクト理論だな。
ちょっと冷静に考えてみよう。」
と立ち止まって
考えられるようになります。
是非ご活用くださいね。
【3】派生した理論
プロスペクト理論から派生された
心理効果についてです。
①フレーミング効果
フレーミング効果とは
実際には同じ意味であっても
表現の仕方が変わるだけで
受け取る人の印象が真逆に
なってしまう現象のことです。
例としては
完治する可能性は90%です。
B:手術が失敗して
死亡する可能性は10%です。
プロスペクト理論の
「損失回避性」により
損失を強調した「B」の文章を
聞かされた人は
「A」を聞かされた人よりも
手術を承諾しづらくなります。
② サンクコスト効果
をかけた対象に対して
不当に価値付けしてしまう心理。
「せっかくコストをかけたのだから
もったいないから」
という理由で
コストをかけ続けてしまう…
というものです。
例としては
✅ 買った本が面白くなくても
最後まで読んでしまう。
✅ 長年課金し続けてきた
ソシャゲがやめられない。
などが挙げられます。
これもプロスペクト理論
「損失回避性」によって
これまで費やした
お金や時間がムダになり
損失が確定する状況に
強い嫌悪感を覚えるためなのです。
サンクコスト効果については
以下の記事でも説明しています。
併せて参考にして頂けたらと思います。
【悪用厳禁】「頼み事」をして『好かれる』人になる考え方3選(恋愛・仕事・家族・プライベートで活用できるコミュニケーション心理学)
こちらも
コストを掛け続けてもらえる
(相手がハマる=好かれる)
という方法です。
接客業で異性を引きつけ続ける
手法などで定番です。
使ったのだから絶対に落としてやる。」
と「損失確定」を回避したい
心理が働くわけです。
【悪用厳禁】ですので
よろしくお願いしますね。
③ 保有効果
それを所有していなかったときよりも
高く感じる現象。
例としては
✅ 「使用した後でも返品OK」
と言われて買ったけど、結局返品しない。
などが挙げられます。
株の損切りができない現象は
『サンクコスト効果+保有効果』の
典型的な例です。
購入価額を下回っても
売却しなければ損失は確定しません。
だから損切りできずに
見込みのない株を持ち続けてしまうのです。
知っているだけで…
② サンクコスト効果
③ 保有効果
以上が、プロスペクト理論から
派生された心理効果です。
知っているだけで
心理の変化が理解できますね。
売る側としても、買う側としても
ぜひ、ご活用ください。
【4】まずやる事
① 小さな失敗を思い出す。
プロスペクト理論に当てはまる
ちょっと やってしまったという
失敗を思い出してみましょう。
② 同じ状況の対応を想像する。
そして 同じ状況になった時
このプロスペクト理論の理解で
うまく対応できている自身を
想像してみましょう。
大丈夫! 対応できていますね。
【まとめ】
● プロスペクト理論
✅ 損失は「いかに、それを回避
できるか」考える。
(リスクを負ってでも…)
✅ 損失回避バイアスと呼ばれる
② 競合優位性のアピール
③ ポイントサービスキャンペーン
④ 恐怖アピール(フィアアピール)
⑤ 希少性アピール
⑥ 各種優遇制度
⑦ キャッチコピーの切り替え
② サンクコスト効果
③ 保有効果
② 同じ状況の対応を想像する。
ビジネスコミュニケーション最適化コーチ たかはしみのる です。こんにちは。この記事は、こんな私が書いています。▶IT業界で人間関係に悩み、コミュニケーションの学びを開始。NLP資格取得・コーチングライセンス取得・アドラー心理学を学ぶなど、小さな学びから始めて大きな成果がでることを実感し、企業研修講師 ・プロコーチ・コーチングスクール講師・オンライン講師 などで活動中。▶【プロフィール】