【保存版】損せず得する『プロスペクト理論』分かりやすく解説【行動経済学・行動心理学】

たかはしみのる

ビジネスコミュニケーション最適化コーチ たかはしみのる です。こんにちは。この記事は、こんな私が書いています。▶IT業界で人間関係に悩み、コミュニケーションの学びを開始。NLP資格取得・コーチングライセンス取得・アドラー心理学を学ぶなど、小さな学びから始めて大きな成果がでることを実感し、企業研修講師 ・プロコーチ・コーチングスクール講師・オンライン講師 などで活動中。▶【プロフィール】

こんにちは。みのるコーチです。

今回も、ご覧いただき、ありがとうございます。

今回は

今回のテーマ
【保存版】
損せず得する『プロスペクト理論』
分かりやすく解説

というテーマでお送りします。

この プロスペクト理論

マーケティングやセールスの仕事を
されているかたは

ご存知のかたも多いと思います。

経済活動の中で

消費者は常に合理的に判断して
購買活動をしているかというと
そうとは限りませんね。

そうなんです
心理的な要素が入っているので

合理的な判断が
できないことも多々あります。

今回ご紹介する

「プロスペクト理論」

はその中でも重要な理論です。

この記事を参考に

何かを買う時、何かを決める時に
ぜひ冷静な判断をして頂きたいと思います。

また、ご自身の商品をお持ちのかたや
会社の商品を売るときには

相手の心理・感情の動きを考えて
この「プロスペクト理論」を活用して
頂けたらと思います。

【この記事を読むと】

プロスペクト理論が解る。

✅ ビジネスで活用して
  自身のの成果が上がる。

✅ 冷静な判断ができて
  安定の経済活動ができる。

【1】プロスペクト理論とは

① 心理テスト

突然ですが、ここで質問です。

あなたはクジに当たりました。

A「確実に1000円もらえる」
B「サイコロを振って 
  奇数が出たら2000円もらえる
  偶数が出たら0円」

A・B どちらか選べるとします。
どちらを選びますか?



はい、決めましたか?
では、次の質問です

あなたは、1000円を失う事態が発生。
その時に以下の選択肢が与えられました。
 
C「確実に1000円失う」
D「サイコロを振って
  奇数が出たら失うのは0円(チャラ)
  偶数が出たら2000円失う」

の場合では、C・D どちらを選びますか?

はい、決めましたか?

のちほど解説しますね。
どれを選んだか、覚えてくださいね…。

②プロスペクト理論とは

さて、プロスペクト理論について
話していきます。

このプロスペクト理論とは

得するよりも、損を絶対にしたくない。

…という心理状態のことを指します。

この理論は

カーネマンとトヴァスキーの
2人が提唱しました。

2人は「判断と意思決定」に関する
実験的研究と理論的研究を推し進めます。

そして 2002年にはダニエル・カーネマンが
ノーベル経済学賞を受賞しています。

(トヴァスキーは1996年に亡くなっています)

プロスペクト理論を調べると…

プロスペクト理論
✅不確実性下における
 意思決定モデルの一つ。

✅選択の結果得られる利益もしくは被る損害
 およびそれら確率が既知の状況下において
 人がどのような選択をするか記述するモデル

となっています。

一見すると難しいように感じますが
最初に説明した通り…

「絶対に損はしたくない!!」

という心理の事なのです。

プロスペクトは
「予測」と「見方」という意味です。

人間の性質上

利益(自分にプラスになること)は

確実に手に入れること

を優先します。

一方で
損失が明らかに分かっていることは

いかにして、それを回避できるか

を優先するのです。

③心理テスト解説

ここで
冒頭の質問の答えを見てみましょう。

突然ですが、ここで質問です。

あなたはクジに当たりました。

A「確実に1000円もらえる」
B「サイコロを振って 
  奇数が出たら2000円もらえる
  偶数が出たら0円」

A・B どちらか選べるとします。
どちらを選びますか?

これは、プロスペクト理論で考えるて
多くの人はAを選ぶことになります。

「確実に1000円をもらっとこ~」
となるわけです。

一方で、2番目の質問は、どうでしょう…。

あなたは、1000円を失う事態が発生。
その時に以下の選択肢が与えられました。
 
C「確実に1000円失う」
D「サイコロを振って
  奇数が出たら失うのは0円(チャラ)
  偶数が出たら2000円失う」

の場合では、C・D どちらを選びますか?

この場合には
Dを選ぶ人が多いものです。

心理としては

ど~にかして、チャラにしたい…。

と思うのです。

そうなのです。私たちは
「不可避な損失を我慢できない」のです。

選択肢ABの期待値は同じ(+1000円)で
どちらに転んでも利益しかありません。

ですので…

「利益(自分にプラスになること)には
 確実に手に入れることを優先します。」

が働いて
確実性の A を選ぶ人が多くなります。

次の質問では
CDの期待値は同じ(-1000円)ですが 

「損失が明らかに分かっていることは
 『いかにして、それを回避できるか』を優先」

するため、確実に取られるよりも
倍の損をするリスクがあっても

チャラになる可能性のある方を
選ぶ傾向があるのです。

この心理が「プロスペクト理論」です。
そして、プロスペクト理論は別名

「損失回避の心理」・
「損失回避バイアス」

と呼ばれます。

④ 価値関数

では、なぜこのような心理になるかを
説明しておきますね。

そこには
「価値関数」というものが存在します。

価値関数
✅ 認知における「価値の感じ方の歪み」
  を表現する関数

とっても簡単に言うと

同じ金額でも

得をした嬉しさよりも
損をしたガッカリ感を強く感じる。

というものです。

1,000円得した嬉しさよりも
1,000円損したガッカリ感が
強いということです。

経済学者の筒井義郎氏らによる著書
『行動経済学入門』によると…

損失がもたらす影響は
利得のおよそ 2.25倍 だそうです。

という事で

『いかにして、それを回避できるか』

を考えてしまう傾向が
強くなるのですね。

【2】日常での理論の実例

プロスペクト理論は
よくビジネスのシーンで使われています。

今回は、私たちがよく目にする
7つの実例をご紹介します。

① 全額返金キャンペーン

リスクリバーサルといいますが
売り手が買い手のリスクを負っています。

使ってみて「ちょっと違うな」と思えば
「損失を回避」できるという安心感を
ユーザーに与えています。

売り手側からすると

返品のリスクがあるので
一見 メリットがないように感じますが

日本は製品の返品率が低いので
よくこの手法が使われています。

② 競合優位性のアピール

メイクなどのコスメや
電化製品のキャッチフレーズに

「顧客満足度95%」などの言葉を
見たことはありませんか。

これらの言葉は

「損をしたくない」という
顧客心理を働かせることで

購買意欲に訴えかける手法です。

③ ポイントサービスキャンペーン

ポイント制を
導入しているお店などで行う

一定期間はポイント○倍などの
キャンペーン。

今を逃すと「損をする」という
意識を持たせる手法です。

また ポイントには基本的に有効期限を
ついているケースがほとんどです。

こちらは

「ポイントを失効して損をしたくない」

という「損失回避バイアス」を
働かせる狙いがあるのです。

④ 恐怖アピール(フィアアピール)

例えば、資産運用の例です。

「資産運用をすれば資産を
 増やすことができる」

など得することを
アピールしていくよりも

「資産運用をしないと老後の資金が
 足りなくなる可能性がある」などと

損する可能性をアピールしたほうが
商品によって反応率は高い場合があります。

⑤ 希少性アピール

「限定何個」とか
「期間限定」という手法です。

ネット販売の場合
残り時間のカウントダウンで
視覚的に訴えてくる場合までありますね。

この機会を逃したくないという
「損失回避の心理」が働いて

買ってしまう場合も多いものです。

⑥ 各種優遇制度

「○○円以上購入で送料無料」など

対象を限定した優遇制度・メリットを
宣伝していく手法です。

「もう少しで○○円だから、
 ついでになにかもう一品…」という

この「機会を逃したら損」
という心理を誘うことができます。

⑦ キャッチコピーの切り替え

宣伝・広告の
キャッチコピーでの効果です。

ユーザーのメリットになる情報は

「確実に〇〇できる!」と抽象的な
表現が良いとされています。

一方で、ユーザーにとって
デメリットになる情報は

「〇〇%の割合で××してしまう」
強調するほうが具体的な印象になって

これを避けるには、この商品が必要だ
と誘導することができるものなのです。

このように、同じ商品でも
キャッチコピーの切り替えによって

印象を大きく変えることができるのです。

冷静な判断 and 理論の活用

① 全額返金キャンペーン
② 競合優位性のアピール
③ ポイントサービスキャンペーン
④ 恐怖アピール(フィアアピール)
⑤ 希少性アピール
⑥ 各種優遇制度
⑦ キャッチコピーの切り替え

以上が 私たちがよく目にする
プロスペクト理論です。
 
行動経済学や行動心理学に
分類されるので

ビジネスシーンで活用が
多くありますね。

売る側としては

良いものを相手に
届ける手法として活用したいですね。

そして 買う時の判断としては
これらの事を知っているだけで

「おっ、プロスペクト理論だな。
 ちょっと冷静に考えてみよう。」

と立ち止まって
考えられるようになります。

是非ご活用くださいね。

【3】派生した理論

プロスペクト理論から派生された
心理効果についてです。

①フレーミング効果

フレーミング効果とは

実際には同じ意味であっても
表現の仕方が変わるだけで

受け取る人の印象が真逆に 
なってしまう現象のことです。

例としては

A:手術が成功して
  完治する可能性は90%です。

B:手術が失敗して
  死亡する可能性は10%です。

プロスペクト理論の
「損失回避性」により

損失を強調した「B」の文章を
聞かされた人は

「A」を聞かされた人よりも
手術を承諾しづらくなります。

② サンクコスト効果

サンクコスト効果
✅ コスト(時間・お金・労力)
  をかけた対象に対して
  不当に価値付けしてしまう心理。

「せっかくコストをかけたのだから
 もったいないから」

という理由で
コストをかけ続けてしまう…
というものです。

例としては

✅ 買った本が面白くなくても
  最後まで読んでしまう。

✅ 長年課金し続けてきた
  ソシャゲがやめられない。

などが挙げられます。 

これもプロスペクト理論
「損失回避性」によって

これまで費やした
お金や時間がムダになり

損失が確定する状況に
強い嫌悪感を覚えるためなのです。

サンクコスト効果については
以下の記事でも説明しています。

併せて参考にして頂けたらと思います。

【悪用厳禁】「頼み事」をして『好かれる』人になる考え方3選(恋愛・仕事・家族・プライベートで活用できるコミュニケーション心理学)

こちらも

頼み事をしてコストを掛けてもらうと

コストを掛け続けてもらえる
(相手がハマる=好かれる)

という方法です。

接客業で異性を引きつけ続ける
手法などで定番です。

「ここまで、お金・時間・労力を
 使ったのだから絶対に落としてやる。」

と「損失確定」を回避したい
心理が働くわけです。

【悪用厳禁】ですので
よろしくお願いしますね。

③ 保有効果

保有効果
✅ 現在所有している物の価値について
  それを所有していなかったときよりも
  高く感じる現象。

例としては

✅ 株の損切りができない。

✅ 「使用した後でも返品OK」
  と言われて買ったけど、結局返品しない。

などが挙げられます。

株の損切りができない現象は

『サンクコスト効果+保有効果』の
典型的な例です。

購入価額を下回っても
売却しなければ損失は確定しません。
 
だから損切りできずに
見込みのない株を持ち続けてしまうのです。

知っているだけで…

① フレーミング効果
② サンクコスト効果
③ 保有効果

以上が、プロスペクト理論から
派生された心理効果です。 

知っているだけで
心理の変化が理解できますね。

売る側としても、買う側としても
ぜひ、ご活用ください。

【4】まずやる事

① 小さな失敗を思い出す。

プロスペクト理論に当てはまる

ちょっと やってしまったという
失敗を思い出してみましょう。

② 同じ状況の対応を想像する。

そして 同じ状況になった時
このプロスペクト理論の理解で

うまく対応できている自身を
想像してみましょう。

大丈夫! 対応できていますね。

【まとめ】

● プロスペクト理論

【1】プロスペクト理論とは
✅ 得する事は確実性を優先する。
✅ 損失は「いかに、それを回避
  できるか」考える。
 (リスクを負ってでも…)
✅ 損失回避バイアスと呼ばれる
【2】日常での理論の実例
① 全額返金キャンペーン
② 競合優位性のアピール
③ ポイントサービスキャンペーン
④ 恐怖アピール(フィアアピール)
⑤ 希少性アピール
⑥ 各種優遇制度
⑦ キャッチコピーの切り替え
【3】派生した理論
① フレーミング効果
② サンクコスト効果
③ 保有効果
【4】まずやる事
① 小さな失敗を思い出す。
② 同じ状況の対応を想像する。

 

たかはしみのる
最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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