今回のアドラー心理学は、「共同体感覚」についてお伝えします。
この「共同体感覚」は、ちょっと難しい概念ですが、しっかり解説させていただきますね。
■共同体感覚とは?
人は、生まれる時も死ぬ時も一人です。
ですが、一歩この世に生まれ出れば、
途端に一人では生きて行くことができなくなります。
生まれたばかりの赤ちゃんは
放置されると死んでしまいます。
では、食事を与えられれば
それでいいのでしょうか?
一日中、親から罵倒や暴力を受けて育つと
どうなるのでしょうか。
自分は何の価値もないと思ってしまいます。
ましてや家族、教師などに
価値のない人間だなどと言われてしまうと、
自分は何にも出来ないと思い込むようになります。
そうすると当然、精神を病んでしまい、
うつ病などになり命さえもままならない状況に
なっていきます。
共同体感覚とは、
「自信にみなぎり、誰か(共同体)に
何かをしてあげたいと思う気持ちが大きい状態」
です。
さて、
信頼していた恋人に別れを告げられ、
それが彼の浮気だったということが後になり分かったら、
どんな気持ちになりますか?
共同体感覚は3つの要素からなります。
彼に裏切られたということは、
アドラーの共同体感覚では、
「他者信頼」の要素が亡くなった
と考えます。
それでは、この3つの要素を見ていきましょう。
■3つの要素
アドラーの共同体感覚は、
・他者信頼:他人は自分を保障してくれる
・自己信頼:自分は他人に何か出来る
・所属感:自分と他人の関係に満足している感覚
の3つの要素がそろった時はじめて成立する感覚です。
家族、恋人や友人と旅行に出かけて、
夏の夜空に浮かぶきれいな花火を眺めている時に
しみじみ感じるあの感覚です。
先ほどの話に戻りますと、彼に浮気され、
彼に対しての他者信頼がなくなった場合は、
彼との共同体感覚が生まれなくなる
ということになります。
その結果が別れになるのです。
■他者信頼と自己信頼
大昔、人々はお金がなかったので物々交換をしていました。
Aさん:農業をしていた。
Bさん:狩猟をしていた。
と、しましょう。
冬は作物が取れません。
この冬のあいだ、BさんはAさんに
狩猟で得た動物の肉を与えるでしょうか?
Aさんがこういったとしましょう。
「春になれば新しい作物が実るので待ってください。」
この時Bさんは2種類の行動がとれるはずです。
(1)Aさんに食べ物を渡さない。
アドラーの共同体感覚で言えば、
「(Aという)他者は、自分を保障しない。」
ですね。
そうするとBさんにとって、Aさんとの「共同体感覚」は
「他者信頼が欠如」しているので、成立しないことになります。
だからBさんはAさんに狩猟で得たお肉を
渡さなかったというわけです。
(2)Aさんに食べ物を渡す。
BさんはAさんとの関係において、
他者信頼(Aさんから農作物による保障)がない状態ですね。
なのに、どうしてBさんは
Aさんにお肉をあげたのでしょうか?
■優先すべきは?
お肉をあげたBさんの状況を、 Bさんにとって、Aさんとの関係において、 他者信頼(AさんはBさんを冬の間保障してくれる) ですが、Bさんは、他者信頼よりも、 Aさんは、Bさんに深く感謝しました。 Bさんは、自己信頼を他者信頼よりも優先 その結果Aさんからは、農作物という保証とは別に、 精神的な保障(他者信頼)を受け取ることができました。 その結果、BさんはAさんとの関係性において、 ここで、Bさんは、Aさんが春になれば 狩猟で獲得したお肉を今回だけという気持ちで 理由はともあれ、 Bさんは、Aさんに対する他者信頼を Aさんと共同体感覚を持つことができます。 もちろんAさんもです。 ですが、来年の春になりこんなことがわかったとします。 Aさんが種を秋にまいておくことを忘れていたことがわかり、 ですが、 Bさんは、自己信頼(自分は他人に何かできる) 一般的な感覚で言えば、 自己信頼ができていないと自分を責めるはずです。 ですが、もう一方で、Aさんはこう思っているはずです。 今度の夏に農作物が出来たらBさんには冬、春の分以上の AさんとBさんの関係は、親と子供の関係にも 中学校を卒業するころまでは、 高校に入った途端、 子供が落第するまでは、 突然子供は、 自己信頼(自分は親にテストでいい点をとり親に安心を保障する) ここで親がテストの点数が悪いからといって、 ですが、親が落第生になった子供を以前と、同じ態度で 子供は自己信頼が崩れずにすむので、 これは、夫婦関係でも言えます。 夫が就職先を退職し無職になってしまった場合など この時、自己信頼を失った夫は、実際に無職でいるのですから、 ここで、妻が許し、まるで無職になる前のように 夫は妻の許しを、自己信頼の追加分として 夫が無職である間も、家族の絆である この時に、大切なのは、 ここで「共同体感覚」が途切れないでいられるのは、 夫婦が同じ目標に向かっており、 ここでいう目標は夫が再就職するという目標です。 ここで、夫がいつまでも無職でいいやと努力しなければ、 所属感は、共同体に所属している感覚です。 所属感=共同体に所属したいという気持ちの度合い 恋人同士であれば、相手を好きだと思うこと、 その感覚は、自己信頼や他者信頼をも ・共同体感覚=自己信頼+他者信頼+所属感 ・自己信頼>他者信頼 ・「目標の共有」が大切 <目標の共有をした場合における、立場の強い者> <目標の共有をした場合における、立場の弱い者>
アドラーの共同体感覚で考えてみます。
という要素が欠如したことになります。
自己信頼(自分はAさんにお肉をあげて、Aさんを助けることができる)
を優先させたのです。
Bさんは人に感謝されたことがなかったのでした。■自己信頼>他者信頼
させる勇気を持つことが出来たので、
深い感謝を受けたことで、
共同体感覚を持つことができました。
もちろんAさんもです。■大切な事は…
農作物が取れるということが、わかっているので、
渡したとしましょう。
「保留」と言う形にしたので、
春になっても農作物は育たなかったとします。
を優先させて、2度目のお肉をAさんにあげます。
Aさんは2度も農作物をBさんに渡していないので、
農作物をあげたいと。■他者信頼には「許し」を自己信頼は「アクション」を
当てはめることが出来ます。
100点に近い点数ばかり取っていた子供が、
勉強についていけずに落第生になったとします。
子供と親の関係は共同体感覚が維持できていたのに、
が欠如するのです。
子供を強く責めると、子供は親との共同体感覚を
取り戻せないことになります。
暖かく接していれば、
親との共同体感覚を続けることができます。
人生には色々な問題が起こってきます。
家族に対する自己信頼は減っています。
暖かく接したとしましょう。
受け止めます。
共同体感覚が夫婦間で途切れないでいられるのです。
「共通の目標」に向かっているということです。
その目標を共有していたからです。
共同体感覚のうち、夫の自己信頼が欠如しますので
成立不可能になります。■所属感は自分が決める
家族の場合は、家族を大切と思うことです。
強く高くしていきます。■まとめ
自己信頼を優先させる。
立場の強い者の自己信頼を自分の自己信頼に置き換え、
将来の自己信頼の実現につなげる。
(自分が無職になっても家族は支えてくれた。
だから、自分は仕事をもった暁には、
家族に貢献したいと、より強く思うということ。)
解説して、僕の「自己信頼」、あなたの「他者信頼」、そして、両者の「このブログへの共同体感覚」が高まったと言えそうですね。
ビジネスコミュニケーション最適化コーチ たかはしみのる です。こんにちは。この記事は、こんな私が書いています。▶IT業界で人間関係に悩み、コミュニケーションの学びを開始。NLP資格取得・コーチングライセンス取得・アドラー心理学を学ぶなど、小さな学びから始めて大きな成果がでることを実感し、企業研修講師 ・プロコーチ・コーチングスクール講師・オンライン講師 などで活動中。▶【プロフィール】